入社から12月までの時期に感じやすい悩み
社会人になってから最初の1年は、期待と不安が入り混じる時期です。特に新卒で入社した人にとって、4月から12月までの期間は、学生から社会人へ大きく変化するタイミング。最初は目新しいことばかりで必死に働いているうちに時間が過ぎていきますが、夏を過ぎて秋から冬にかけて、少し落ち着きが出てくると「このままでいいのだろうか?」という悩みが頭をよぎりやすくなります。ここでは、その悩みの正体を3つの観点から整理してみましょう。
社会人1年目の壁と現実とのギャップ
4月に入社したとき、多くの人は「やっと社会人になれた」「頑張って成長しよう」とポジティブな気持ちを抱えています。しかし、実際に働き始めると、理想と現実のギャップを感じやすいのがこの時期の特徴です。
例えば、
- 思っていたより仕事内容が単調で、成長している実感が持てない
- 先輩や上司の仕事ぶりと比べて、自分が力不足に感じる
- 憧れていた業界に入ったのに、日々の業務は想像と違った
こうしたズレは誰にでも起こるものです。特に新卒の頃は、仕事全体を理解できるほどの経験がなく、どうしても「自分には合っていないのでは?」と不安を感じてしまいます。
夏以降に訪れる「モヤモヤ期」
入社から3か月ほどは研修やOJTで目の前のことに必死です。しかし、夏を越えたあたりから徐々に業務に慣れ、余裕が生まれてきます。この余裕が「モヤモヤ期」を引き寄せる原因になります。
人間は余裕ができると、「この先の自分」を考え始めます。すると、次のような気持ちが芽生えやすいのです。
- 「このまま同じ仕事を続けていていいのだろうか」
- 「やりたいことは他にある気がする」
- 「もっと自分らしく働ける場所があるのでは」
特に9月から10月にかけては、学生時代の友人が別の業界で活躍している話を耳にする機会も増えます。それが自分のキャリアを見直すきっかけとなり、「私はこのままでいいのか?」という問いに直面するのです。
年末にかけて考え始めるキャリアの不安
12月という時期は、社会人にとっても大きな節目になります。ボーナスや評価面談を通して「会社からの評価」が可視化されることで、今の自分の立ち位置が見えてくるのです。
- 思ったより評価が低かった
- 頑張ったのに給料に反映されていない
- 同期や同世代と比べて成長が遅れている気がする
こうした事実に直面すると、「転職した方が良いのでは?」という考えが浮かびやすくなります。さらに年末年始は親戚や家族に「仕事どう?」と聞かれる場面も多く、自分のキャリアについて考えざるを得ないタイミングです。
入社から12月までの間に感じる悩みは、一見するとネガティブに見えますが、実は「キャリアを考える大事なきっかけ」とも言えます。この時期の迷いを正しく捉えることで、次の一歩をより前向きに踏み出せるのです。

なぜ12月はキャリアを見直すタイミングなのか
新卒として入社してからの最初の1年は、怒涛のように過ぎていきます。気づけば12月、1年の終わりを迎えるころになると、多くの人が「自分はこの会社でこのままやっていけるのだろうか」「本当にやりたいことは別にあるのではないか」と考え始めます。では、なぜ12月という時期がキャリアを見直すタイミングになりやすいのでしょうか。その背景を3つの視点から解説していきます。
年度の折り返しで生まれる節目意識
日本の企業では4月入社が一般的であり、12月はちょうど年度の後半に差し掛かる時期です。入社から約8か月が経過すると、仕事にある程度慣れ、社内の雰囲気や人間関係も見えてきます。
その一方で、「1年の半分が過ぎた」という節目意識が強く働くため、自然と「これからの自分」を振り返るタイミングになります。
- 「この仕事を3年続けたらどうなっているだろう」
- 「来年度はどんな役割を担うのだろう」
- 「もっと自分に合う環境はあるのでは」
こうした問いは、12月という区切りの月だからこそ生まれやすいのです。
周囲の動きと自分の比較からくる焦り
12月は、同期や同世代の友人と再会する機会が増える時期です。忘年会や同窓会で久しぶりに会った友人から、仕事のやりがいや成長を実感している話を聞くと、つい自分と比較してしまうものです。
- 「同期はもう大きなプロジェクトを任されているのに、自分は雑務ばかり」
- 「友人は転職してやりたいことを実現しているのに、私は現状維持のまま」
こうした比較は焦りを生みやすく、自分のキャリアを見直す動機となります。特にSNSを通じて他人のキャリアを目にする機会が増えている現代では、この傾向がさらに強まっています。
ボーナスや評価で自分の立ち位置を知る
12月はボーナス支給や評価面談が行われる会社も多く、自分の努力がどのように認められているかを知る重要なタイミングです。
期待していたよりも評価が低いと、やる気が落ちるだけでなく、「この会社にいても成長できないのでは?」という疑念を抱きやすくなります。逆に評価が高くても、「本当にやりたいことは別にあるのでは?」という思いから迷いが生じる場合もあります。
つまり、評価や報酬といった“数字”として結果を目の当たりにすることで、自分の立ち位置がより現実的に見えてくるのです。その結果、将来のキャリアを見直す行動につながりやすくなります。
このように、12月という時期は「年度の折り返し」「周囲との比較」「評価や報酬」という3つの要因が重なり、自分のキャリアに向き合うきっかけを与えてくれます。もし今の会社でモヤモヤを抱えているなら、それは自然なことです。むしろ、12月は自分自身の働き方を真剣に考える良いチャンスだと言えるでしょう。

「やりたいこと」を見直すためのステップ
入社からしばらく経って、仕事に慣れ始めたころに「本当に自分がやりたいことはこれなのか?」という問いに直面する人は少なくありません。社会人として働き始めると、学生時代に描いていた理想や期待と、現実の業務内容との間にギャップが生まれやすいからです。
ただし、この「やりたいこと迷子」の状態は決して悪いことではありません。むしろ、自分のキャリアをより良い方向に修正するチャンスです。ここでは「やりたいこと」を見直すための3つのステップを紹介します。
入社後の経験から学んだことを棚卸しする
まず最初にやるべきは、これまでの仕事で得た経験を振り返り、棚卸しすることです。
例えば次のようにリスト化してみると、自分の成長や強みが見えやすくなります。
- 初めて任された仕事はどんな内容だったか?
- その中で得意だったこと、苦手だったことは何か?
- 上司や同僚から褒められた点や評価された行動は何か?
この作業を通して、「自分が自然にできること」や「思ったより楽しめた仕事」が明確になってきます。これらは、将来キャリアを考えるうえで大きなヒントになります。
本当にやりたいことと「向いていること」の違い
次に意識すべきは、「やりたいこと」と「向いていること」を切り分けて考えることです。
- やりたいこと … 夢や憧れからくるモチベーションの源泉
- 向いていること … 能力や特性によって自然に成果を出しやすい分野
この2つは必ずしも一致するわけではありません。たとえば、「人前で話すのは苦手だけど、文章を書くのは得意」という人は、営業職よりも企画や広報で力を発揮できるかもしれません。
重要なのは、「やりたいけど苦手」な分野を無理に追い続けるのではなく、「向いていて続けられる」分野の中から自分らしいやりがいを見つけていくことです。そうすることで、長期的にキャリアを安定させやすくなります。
長期的なキャリアビジョンを描くコツ
最後に、「数年後に自分がどうなっていたいか」を描いてみましょう。ここで大切なのは、完璧な未来像を作ることではなく、「こうありたい」という方向性を持つことです。
描き方のコツとしては:
- 3年後 … どんなスキルを身につけたいか
- 5年後 … どんな役割やポジションを担っていたいか
- 10年後 … どんな働き方・ライフスタイルを実現したいか
このように時間軸を区切ると、短期と長期の両方の視点からキャリアを整理しやすくなります。また、理想像を描いたうえで「今の会社でできること」「転職でしか実現できないこと」を見極めると、進むべき方向がより明確になります。
「やりたいことがわからない」という状態は、実は多くの人が経験する自然な迷いです。しかし、経験を棚卸しし、自分の向き不向きを理解し、未来の方向性を言語化することで、少しずつ答えは見えてきます。大事なのは、焦らずに一歩ずつ整理していくことなのです。

転職を考える前に確認すべきポイント
12月という節目の時期になると、「今の会社にこのままいていいのか?」という気持ちから転職を意識する人が増えてきます。しかし、勢いだけで転職を決断してしまうのはリスクが大きい選択です。特に新卒1年目〜3年目は、社会人としての基盤を築く重要な時期。だからこそ、「本当に転職すべきか?」を冷静に判断するために、事前に確認しておきたいポイントがあります。ここでは3つの視点から整理していきましょう。
今の会社で得られるスキルや経験を整理する
まずは「現在の職場でしか得られない経験は何か」を考えることが大切です。
たとえば、
- 業界知識を体系的に学べる環境か
- 基礎的なビジネススキル(資料作成・顧客対応・調整力)が身についているか
- プロジェクトに関わることで得られる達成感や責任感があるか
入社1年目は、正直なところ「雑務が多い」「思ったより地味な仕事ばかり」と感じるかもしれません。しかし、その一見地味に思える仕事の中に、次のキャリアで役立つ力が隠れていることもあります。たとえば、社内調整の経験は将来のマネジメントに活きますし、資料作成の積み重ねは企画や提案力の基礎になります。
「今は目に見える成果がなくても、ここで積める経験はあるのか?」を整理することは、転職の判断をより現実的にしてくれるのです。
転職市場での自分の価値を知る
次に考えるべきは、「今の自分が転職市場でどう評価されるのか」です。
転職活動をすれば誰でも良い会社に移れるわけではありません。特に社会人経験が浅いうちは、転職市場での価値はまだ低いケースも多いのです。
- まだ1年未満の経験しかない場合 → 「忍耐力に欠ける」と見られる可能性がある
- 業務の成果を言語化できない場合 → 「再現性がない」と判断される
- 資格や専門スキルが乏しい場合 → 他の候補者との差別化が難しい
こうした現実を理解したうえで、「今転職するのが得策か?」「あと1〜2年経験を積んだ方が市場価値が高まるのでは?」と冷静に判断することが大切です。実際に転職サイトやエージェントで求人をチェックしてみると、自分の立ち位置を具体的に把握できます。
転職が最適解かを見極める判断軸
最後に、「転職が本当に最適解なのか」を見極めるための判断軸を持つことが重要です。
転職を考えるとき、多くの人は「今の会社の不満」を理由にします。
- 給料が低い
- 人間関係が合わない
- 仕事内容がつまらない
しかし、不満だけで動くと、次の職場でも同じ悩みにぶつかる可能性があります。大切なのは「何を得たいから転職するのか」というポジティブな理由を明確にすることです。
判断軸の例としては:
- どんなスキルを身につけたいのか
- どんな働き方を実現したいのか
- どんな価値を社会や顧客に提供したいのか
この「得たいもの」が明確になっていれば、たとえ転職を選ばずに今の会社に残ったとしても、自分の中で納得感を持ちやすくなります。
転職は人生に大きな影響を与える選択だからこそ、勢いではなく「冷静な整理」が必要です。今の会社で得られるものを理解し、自分の市場価値を確認し、転職以外の選択肢も含めて比較する。そのプロセスを踏むことで、後悔しないキャリアの選び方ができるのです。

入社1年目〜3年目で後悔しないキャリア選択
新卒で社会人生活をスタートしてからの最初の3年間は、キャリア形成において特に重要な時期といわれます。なぜなら、この期間で培った経験や考え方が、その後の働き方に大きな影響を与えるからです。転職を含め、キャリアの選択肢を検討するときに大切なのは「後悔しない選び方」をすること。ここでは、3つのポイントに分けて解説していきます。
自分の軸を持ってキャリアを選ぶ大切さ
社会人1〜3年目は、どうしても周囲の意見や評価に流されやすい時期です。同期や友人の活躍を見て焦ったり、上司の言葉に振り回されたりすることも少なくありません。しかし、他人の基準で動いてしまうと、結局は「やっぱり違った」と後悔するリスクが高くなります。
そこで必要になるのが「自分のキャリアの軸」を持つことです。軸とは、次のような問いに対する答えを明確にすることでもあります。
- 自分はどんな価値を提供したいのか
- どんな働き方を大切にしたいのか
- どんな環境だと力を発揮できるのか
この軸を持つことで、転職するか残るかといった選択に一貫性が生まれ、「なぜその道を選んだのか」を説明できるようになります。
相談相手やメンターを見つける方法
キャリアに迷ったとき、自分一人で考え込んでしまうと視野が狭くなりがちです。そんなときに大切なのが「相談できる相手」を持つことです。
相談相手としておすすめなのは:
- 社内の先輩 … 同じ環境を経験しているため、現実的なアドバイスが得られる
- 転職経験のある社会人 … キャリアの選択肢や市場価値についてのリアルな話を聞ける
- キャリアアドバイザーやメンター … 客観的に強みや方向性を整理してくれる
相談する際のポイントは、ただ愚痴を言うのではなく「自分はこう考えているがどう思うか?」と意見を求めることです。これによって、自分の考えを客観視できるようになり、選択肢の幅も広がります。
小さな挑戦から未来につなげるキャリア戦略
キャリアを考えるとき、多くの人は「大きな決断をしなければならない」と思い込みがちです。しかし、実際には小さな挑戦の積み重ねが未来を形作っていきます。
たとえば:
- 社内のプロジェクトに自ら手を挙げる
- 部署外の勉強会やイベントに参加してみる
- 資格取得やスキルアップにチャレンジする
- 副業やボランティアを通じて外の世界を知る
これらの小さな行動は、必ずしもすぐに成果に直結しなくても、「自分はどんなことに興味を持てるのか」を知る手がかりになります。そして、その積み重ねが「自分らしいキャリア」をつくる道しるべになっていきます。
入社1年目〜3年目は「正解がない」時期でもあります。だからこそ、自分の軸を持ち、信頼できる相談相手を見つけ、少しずつ挑戦を重ねることが大切です。転職という大きな選択肢に限らず、日々の小さな行動が未来を形づくっていくのだと理解できれば、不安に振り回されることなく、納得感を持って歩んでいけるでしょう。
まとめ / 自分のキャリアを見直す絶好のタイミングは12月
入社してから12月までの期間は、社会人としての最初の壁に直面し、理想と現実のギャップに悩む人が多い時期です。しかし、それは決してネガティブなことではなく、自分のキャリアを見直す大切なチャンスでもあります。ここでは、本記事全体を振り返りながら、今後の行動につなげるためのヒントを整理していきましょう。
1年目の「モヤモヤ」は自然なプロセス
4月に入社して必死に働き続け、夏を越えた頃から余裕が出てくると「このままでいいのだろうか」と感じるのは自然な流れです。さらに年末の評価やボーナスによって自分の立ち位置が見えることで、不安や焦りが強まります。これらは「自分自身を振り返る機会」であり、決して逃げるべきものではありません。
「やりたいこと」と「向いていること」を整理する
キャリアを考える上で大切なのは、やりたいことだけにこだわるのではなく、自分の強みや適性を理解することです。経験を棚卸しし、得意なことや評価されたことを振り返ることで、自分に合った方向性が見えてきます。そして、短期・中期・長期のキャリアビジョンを描くことで、不安定な気持ちに振り回されにくくなります。
転職は「不満」ではなく「目的」で選ぶ
転職を考える前に、今の会社で得られる経験やスキルを整理することが重要です。そのうえで「転職市場で自分がどう評価されるのか」を把握し、冷静に判断する必要があります。大切なのは、不満から逃げるのではなく「何を得たいから転職するのか」という目的を明確にすることです。この軸を持つことで、転職後の後悔を減らすことができます。
後悔しないために必要なのは「軸」と「行動」
入社1〜3年目はキャリアの基盤を作る時期です。他人と比較して焦るのではなく、自分の軸を定め、信頼できる相談相手やメンターを持ち、小さな挑戦を積み重ねることが大切です。その積み重ねが、将来につながるキャリアの土台となります。
12月は「立ち止まって考える」絶好のチャンス
1年の終わりである12月は、自分を振り返りやすい節目です。このタイミングでモヤモヤを言語化し、次の行動に移すことは、キャリアにおいて非常に意味のあることです。転職をするにしてもしないにしても、「自分の選択に納得できること」が最も大切なポイントです。
社会人としての最初の数年間は、不安や迷いがつきものです。しかし、それは成長のためのサインでもあります。入社から12月までに感じた違和感を無視せず、丁寧に自分と向き合うことが、後悔しないキャリア選択につながるのです。


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